- 経営セーフティ共済は独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済制度
- 年間240万円、800万円まで損金として積み立てられ、40ヶ月以上納めれば100%戻ってくる
- 戻ってくる時には益金となる。損金を一時的に増やし節税したい時に活用
- 手続きが面倒、早めの準備推奨
損金計上の切り札
所有しているマイクロ法人で利益が多く出ました。車、社宅など購入済みでもう経費にできるものはないです。業種がITなので売上のほとんどが利益であり、プールしておく必要もないです。別荘、キャンプ場でも買うかと思ってずっと探して交渉してきましたが結局良いところは現状見つかっていません。リスクを加味して投資に回せる分は全て回しています。その上で余るお金は全て預金になります。預金にしても0に近いような利息がつくだけで意味がないです。僕と同じような状況の人はとりあえず800万、経営セーフティ共済に預けて損金化しておいた方が税金を抑えられます。
投資先が見つかった時におろせばいいです。一定期間(40ヶ月)納め、預ければ100%戻ってきます。そして何度でも預け直すことができます。
経営セーフティ共済のデメリット・資金が拘束される
一番は40ヶ月以上資金が拘束されることです。それより前にも一様おろすことはできますが100%戻ってこなくなるのでオススメしません。
完全な余裕資金、投資先がない状況で活用した方がいいです。
経営セーフティ共済の注意点・手続きがダルい
独立行政法人(笑)により運営されているので仕方のないことですが、意味不明な縛り、ルールがあり、手続きがダルいです。
まず経営セーフティ共済の引き落としで使える銀行は限られています。ざっくり言うとメガバンク、地方銀行、信金などです。ゆうちょやネットバンクは使えません。僕はネットバンクしか持っていなかったので経営セーフティ共済のために地銀を開設する必要がありました。
そして銀行を窓口として申し込む場合、指定する銀行に一年以上預金を預けているというのが条件になります。最初僕はこれは銀行側が任意で課している条件かと思っていて、銀行に確認したら「手続きできます」と言われました。安心していましたが、開設目前になって銀行から電話があり「このルールは中小機構側が課している条件らしくやっぱり手続きできない」と言われました。
なんのためにこんなルールがあるのか中小機構に聞いてみると「企業の運営実態があることを証明するため」とのこと。そんなの今使っている銀行の明細だせばわかることですし、前年度の確定申告書等提出するわけで。使える銀行を絞っといて、こういう意味不明ルールは勘弁してほしいです。
さらに令和4年度から法人の銀行口座開設も面倒になっています。BOリストという実質的支配者リストを作成して提出しなくてはいけません。銀行で法務局に行って手続きして下さいと言われ、近くの法務局に行って作りたいですというとBOリストは全ての法務局で申請できるものではなく、現状は県に一箇所しかない指定の法務局で手続きする必要があるとのことでした。本当にこういう制度を作る人間は阿保しかいないと思います。ちゃんと体制整ってから実施しろよと。発行に必要な添付書類は決算申告書別表二、本人確認書類等だからBOリスト自体に意味あるのかなって思います。BOリストについてネット検索しても中々見本、原本すら出てこず、ようやく見つけて見本通り書いたら、法務局から連絡があり、修正してほしい箇所がある、もう一度郵送するか、来て欲しいと言われました。急いでいたので修正しに出向きました。見本通りに書いたところを修正しました。
一週間ほどしてBOリストが届き、銀行に提出して口座を開設。銀行で経営セーフティ共済の申し込み手続きはできなくなったので、手続き窓口となる委託機関を探しました。まず委託機関のところに出向き、書類を完成。その後、銀行に行き口座引き落とし申請を提出、再度委託機関の所に出向き書類を提出。
委託機関の人が二度来るのは面倒だからと先に銀行に行って引き落とし手続きを済ませてから委託機関に提出ではだめかと銀行に確認したそうですが駄目らしいです。笑
未だにアナログ作業ばかり、オンラインで完結できるものなのにわざわざ手続き、ルールを増やす。僕はこの国の未来を憂います。
できるだけ早めに手続きは済ませるべし
決算までに間に合えばいいと思っていましたが、経営セーフティ共済の手続きは絶対に早めに済ませた方がいいです。
入金方法は二種類から選べます。振込と引き落とし。振込は一度に納める額を決め、その額分の月日が経ってから引き落としが始まります。つまり一年分の240万円を入れたとしたら引き落としが始まるのは一年後。そこで再度一括振込をする場合は再度手続きをしないといけません。面倒ですし、引き落としと比較して入金できる額が少なくなるのでおすすめできません。
引き落としの場合は初年度は月額引き落としと前納を合わせて行うことができます。引き落としは前納後も継続されます。つまり最大で初年度から480万入れることが可能であり、翌年度もきっちり240万入れられます。なんで振込の場合、面倒、不利になるのかただただ謎です。
引き落としの注意点は手続きが完了した翌々月末の引き落としになります。期間が必要ですので決算ぎりぎりで手続きしようとすると最悪間に合わなくなります。委託機関がミスる可能性は十分ありますし、独立行政法人(笑)の謎ルールで書類が戻ってくる可能性もありえます。(実際僕の場合、委託機関の書類の手続きに漏れがありました。誠意のある方でむこうから出向いてくれ、締め切りの月末に間に合ったので問題はなかったです。)
経営セーフティ共済は手続きが早ければ早いほど初年度に預けられる額は大きくなるので余裕資金が確定したらできるだけ早く手続きは済ませたほうがいいです。