- 幸福感は主観的なものである。幸福だと思えれば幸福だし、不幸だと思えば不幸。
- 普段幸福につながると思ってやっていることが、全く幸福感に寄与していないことがある。
- 幸福感に直結する指標を自らの意志で決め、最適化することで毎日幸福感を感じられるようになる。
幸福とは主観的なもの
運命は我々に幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それをそれよりも強い我々の心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである。
これはフランスの哲学者モンテーニュの言葉です。幸福は主観的なものです。幸福だと思えれば幸福だし、不幸だと思えば不幸、自分で決めることです。これは特権です。
不幸である時間はデメリットしかないかというと、そうでもなくて、多くの学びを提供してくれたり、同様に困ってる人の気持ちがわかるようになったりします。自分が本当に何を欲しているのか、気づかせてくれたりもします。
ただ注意点は人間は状態に慣れる生き物です。不幸な状態に長く浸った人は、その状態を普通と考え、無意識で不幸を欲するようになります。私は人の気持ちがある程度わかるようになったのなら、人は不幸を脱し、主観的幸福な状態でいた方がいいと思っています。
人生のKPIを見直し、洗練する
KPIとはビジネスにおいてよく使われる用語で(Key Performance Indicator)の略です。ある目標達成に直接的に寄与する定量的指標で、その数値を継続的に計測、観測することでゴールに到達しましょうという考え方です。
例えば売上を上げることを目標とすると、何がその目標達成にダイレクトに影響を与えるかを考えます。顧客コンタクト数だったり、顧客満足度だったり、売上と相関関係にあるものをデータから見つけて、KPIとします。それらを上げるためにどうしたらいいか考え、TODOを決めていきます。
人間が不幸である場合、KPIがその人に合わない形で設定されています。それは「誤ったKPI」です。全く幸福に寄与しないものをKPIとして毎日一生懸命計測、観測していたりします。
KPIは自分の生まれた国、文化、家族、友人、コミュニティなどの影響で無意識に設定されていることが多いです。そのデフォルトの設定が本来の自分の幸福と合わないことは多々あります。
まず自分が今どんなゴール、KPIを設定しているのか考えてみましょう。一日、何に時間を使ってることが多いですか?仕事、スマホ、ゲーム、会話。誰からの承認を欲していますか?会社、家族、恋人、友達、SNS・・それらに関連する行動で幸福感につながっているものは?逆にそうでないものは?
全く幸福感に寄与していない時間、行動は見直しましょう。
破壊と再構築
もう気付いたろう。目の前のドアの鍵を受け取れるのは手の中が空の時だけ。
全く幸福感に寄与しない「誤ったKPI」が設定されていることがわかったら関連するものは迷わず捨てること、距離を置くことをお勧めします。KPIは意識的に変えないと一生変わりません。人間には生存本能から現状維持をしたくなるバイアスがあります。思い切るしかありません。
私はKPIを決めるにあたって以下のことを意識しています。
1、持続可能なこと、継続が容易なこと
2、誰にも迷惑をかけないこと
3、長期的にみて、他者貢献につながるもの
私はKPIを見直し、コミュニティでの時間、雑多な人との関わり割合が大幅に減り、仕事、趣味、インプット、アウトプット、コアな仲間、動物との時間が増えました。
家族、友人、仕事、ずっとやってきた趣味、習慣、ネガティブな感情にしかつながらないのなら試しに一旦距離を置いてるのも手です。トライアンドエラーを繰り返して、自分に心地よい人生のKPIを見つけましょう。